勤続年数で退職金はどのくらい変わるのか?相場と合わせて解説

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日本では、平均して7割以上の多くの中小企業が退職金制度を定めています。

退職金制度を作ると、従業員が退職する際に退職金を支給しなければなりませんが、具体的には、従業員一人あたりいくらくらいの金額を支給することになるのでしょうか?

退職金の支払は経営を圧迫しかねないので、具体的な相場を押さえておくと経営に役立ちます。

そこで今回は、従業員の勤続年数ごとの退職金の相場について解説します。

1.退職金額は各企業によって異なる

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退職金制度を作っている企業はたくさんありますが、その内容は、企業によって大きく異なります。

たとえば、当然ながら中小企業よりも大企業の方が退職金が高額になる傾向があります。

また、メーカー系よりも金融系や商社系などの業種の方が退職金が高額になることもあります。

このように、企業規模や業種によっても退職金の金額が異なりますし、個々の会社経営者の考えの違いなどもあります。

退職金の計算方法にもいくつか種類があります。基本給に連動する基本給連動方式がもっとも多いと言われていますが、最近では従業員の今までの役職などによってポイントを定め、それによって退職金を計算するポイント制を導入する企業が増えています。他に、勤続年数で固定して定額で退職金を計算する定額制などもあります。

このように、退職金は、同じ勤続年数でも、就業先の企業や採用されている退職金規程の退職金計算方法によって、大きく異なってくることを、まずは押さえておきましょう。

2.退職金は退職事由によって異なる

退職金は、同じ会社で同じ勤続年数であっても、退職事由によって異なることがあります。

退職事由としては、大きく分けて自己都合退職と会社都合退職のケースがあります。

これ以外に、諭旨退職や懲戒解雇などが行われるケースもあります。

さらに、早期退職制度が導入されて、退職金の割増しが行われる場合などもあります。

普通解雇のケースで会社都合退職なら退職金の給付率は比較的高くなりますが、普通解雇でも自己都合退職なら退職金の給付率が下がります。

諭旨退職や懲戒解雇なら、退職金が大きく減額されることが多くなっています。

このように、退職金の相場は、退職事由によって大きく異なることも、前提として押さえておきましょう。

3.勤続年数ごとの退職金の相場

以上を前提として、具体的な退職金の相場を確認すると、だいたい以下の通りとなっています。

勤続年数 給料 自己都合退職のケース(円) 会社都合退職のケース(円)
3年 201,000 198,000 304,000
5年 217,000 390,000 556,000
10年 259,000 1,080,000 1,426,000
15年 301,000 2,124,000 2,687,000
20年 345,000 3,609,000 4,315,000
25年 385,000 5,455,000 6,249,000
30年 423,000 7,506,000 8,398,000
35年 450,000 9,273,000 10,306,000
定年 460,000 12,599,000

この表を見て、基本給が自社よりも少し低いと感じる場合には、退職金額は基本給に合わせて少しあげると良いでしょう。

別の統計によると、

l  勤続年数5年の場合、自己都合退職で45万円、会社都合退職で668万円

l  勤続年数10年の場合、自己都合退職で124万円、会社都合退職で168万円

l  勤続年数20年の場合、会社都合退職で415万円、会社都合退職で508万円

l  勤続年数25年の場合、自己都合退職で638万円、会社都合退職で742万円

l  勤続年数30年の場合、自己都合退職で899万円、会社都合退職で1022万円

というデータもあるので、こちらを参考にしてもかまいません。

さらに、厚生労働省が勤続年数20年以上、45歳以上の人にとったアンケートによると、

l  勤続年数30年~34年の場合、退職金平均額が1856万円

l  定年退職の場合には、1941万円

とされています。

このように、退職金の相場はあくまで目安の数字なので、これより高く定めることも低く定めることも自由です。

企業が退職金を定める場合には、自社の企業規模や経営状態などに応じて、適切な金額の支払が行われるように定めておくと良いでしょう。

なお、退職金は、勤続年数が3年以下の場合には支給されないことが多いです。

そこで、企業が退職金規程を定める場合、退職金を支給する対象を、勤続年数3年以上や5年以上の人に限る内容にすることも可能です。

4.勤続年数と退職理由ごとの退職金給付率

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退職金規程を定める場合、退職金の計算方法がいくつかありますが、多いのは基本給連動方式です。ここでは、退職金の計算方法が以下のようになります。

「退職時の基本給×勤続年数×退職金給付率」

そこで、退職金給付率によって、退職金の金額が変わってくることになります。

退職金給付率は、勤続年数と退職事由によって違いますが、相場としては以下のようになっています。

勤続年数 自己都合退職のケース 会社都合退職のケース(円)
3年 33% 51%
5年 36% 51%
10年 42% 55%
15年 47% 59%
20年 52% 62%
25年 57% 65%
30年 59% 66%
35年 59% 65%
定年 69%

たとえば、勤続年数10年の場合、基本給が30万円であれば、30万円×10年×42%=126万円の退職金が支給されます。会社都合退職なら、30万円×10年×55%=165万円となります。

基本給連動方式の退職金規程を導入する場合には、上記の退職金給付率の相場も参考にすると良いでしょう。

 

まとめ

退職金の相場は業種や企業規模や退職理由によって変わります。

どのような計算方法にするのか、どのような場合は不支給・減額するかを退職規定にしっかりと記載しておくことが重要です。

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