退職金が会社の資金繰りを圧迫する?解決方法とは?

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中小企業が退職金制度をもうけていると、会社の資金繰りを圧迫する可能性があります。従業員のものも経営者のものでも同じことです。

退職金が資金繰りに悪影響を与えないためには、どのような工夫をすることができるのでしょうか?

今回は、退職金と企業の資金繰りとの関係について、考えてみましょう。

 

1.退職金が資金繰りを圧迫する理由

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そもそも「企業は退職金制度を作らないといけない」というものではありません。

しかし、日本では、中小企業でも退職金制度を設けている会社が多いのが事実です。

平成25年に厚生労働省が行った調査によると、従業員規模が100人から299人の中小企業において、退職金制度がある企業は82.0%、退職金制度のない企業は18.0%となっています。

従業員規模が30人から99人の小規模の企業では、退職金制度がある企業は72.0%、退職金制度のない企業が28.0%となっています。

退職金制度を設けると、従業員の意欲も高まりますし、新入社員も集めやすく、従業員が定着しやすいなどのメリットがあるため、多くの企業が導入していることが分かります。

しかし、当然のように企業が導入している退職金制度が、企業の資金繰りを圧迫する可能性があります。

退職金制度をもうけると、企業は退職金の支払をしないといけません。

この支払いは企業の義務です。

しかも、退職金には賃金の後払い的性質があるので、労働基本法が適用されてしまいます。

退職金不払いになると、企業は労働基準法違反となりますし、労働基準法違反による罰則が適用されるおそれもあります。

そこで無理をしてでも支払をしないといけなくなり、退職金支給が企業の資金繰りを圧迫してしまいます。

支払いができるかどうかを考えずに、メリットだけを見てやみくもに退職金制度を導入すると、退職金によって企業の経営状態が悪化するおそれがあります。

 

2.積立を確実に行うことが重要

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企業が退職金による資金繰りの悪化を避けるためには、まずは退職金の積立を確実に行うことが必要です。

支払いに足りるだけの積立ができていれば、退職金支給時に支払いが苦しくなることも無く、資金繰りが圧迫されることはありません。

従業員用の退職金積立であれば、中小企業退職金共済を利用したり、民間の生命保険会社の養老保険を利用したりすることができます。

経営者用の退職金積立については、小規模会社なら小規模企業共済を利用する方法がありますし、そうでなければ民間の生命保険会社の逓増定期保険や長期平準定期保険、生活障害保障定期保険などがよく利用されています。

これらの外部積立期機関を使って確実に退職金積立を行うことが、退職金と資金繰りの良い関係を保つことにつながります。

 

3.自力で積立をする方法は?

企業が退職金を積み立てるとき、外部の生命保険会社などを使わずに自社内で積立をしようとするケースがあります。

しかし、この方法はおすすめではありません。

自社内で積立をしようとすると、企業の資金繰りが悪化した場合、どうしてもその積立金に手を出してしまうからです。

そうなると、結局退職金支給時に退職金を用意できておらず、支払いができないということになってしまいます。

退職金の原資積立が足りない場合、困るのは従業員だけではありません。

役員や経営者が退職金を受け取れなくなると、老後の生活が苦しくなりますし、人生プランも崩れます。

 

4.従業員の退職金が資金繰りを圧迫しないための対処方法

では、従業員の退職金が資金繰りを圧迫しないためには、どのような方法があるのでしょうか?

この場合、退職金の支給規定の定め方を工夫しましょう。

そのためには、自社の体力に応じた適切な水準になっていること、シンプルでわかりやすいこと、柔軟性があること、懲戒解雇の従業員に対する減額ができて経営者の裁量が認められることなどの観点から退職金規程をチェックしてみることが役立ちます。

一括で退職金を支給する従来の退職金制度ではなく、確定拠出年金などを利用する方法もあります。

 

5.経営者の退職金と資金繰りの上手なバランスのとりかた

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次に、経営者の退職金が資金繰りとの関係を見てみましょう。

経営者に退職金を支給するためには、まずは積立を確実に行うことが大切ですが、支給額が高額になるため、積立ができないケースもあるでしょう。

その場合、金融機関から借り入れをするか、退職金を辞退するかを迫られることがあります。

確かに退職金を辞退すると資金繰りの悪化を免れることはできますが、資金不足が一時的なケースもあります。

こういった場合、合理的な理由があれば、役員への退職金の分割払いも認められる余地があるので、検討してみましょう。

 

また、事業承継を行いたい場合で企業が株高の状態になっている場合には、退職金支給によって株式の評価額を下げて、後継者に株式を譲渡すると、贈与税が減って節税対策になります。

このように、経営者の退職金支給の際にも、資金繰りとの関係でいろいろな工夫をすることができます。

 

まとめ

退職金の資金繰りについて解説させていただきました。

退職金はどう合理的に積立てるかが肝となるので、資金繰りを圧迫する可能性がある場合は早い段階で見直す必要があります。

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