企業がとりうる退職金制度の種類を解説

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日本では、多くの企業が退職金制度を定めているので、中小企業でも退職金規程があるところが多いでしょう。

これから退職金制度を導入したい企業もあるでしょうし、退職金制度を変更したいと考えている企業もあるはずです。

実は、企業がとりうる退職金制度には、いくつか種類があり、それぞれ特徴があります。

そこで今回は、退職金制度の種類について解説します。

 

1.退職一時金制度

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企業が退職金規程を導入している場合、多くのケースでは退職一時金制度が採用されています。

退職一時金制度とは、従業員などが退職したときに、一時払いで退職金を支払う方法です。

 

たとえば、勤続30年、基本給40万円の従業員が退職したケースで1300万円の退職金を一括で支給するケースなどです。

退職一時金制度を導入する場合には、勤続年数などに応じた退職金の計算方法を決めて、退職金規定内に明らかにする必要があります。

懲戒解雇が行われる場合などには支給額を減額する旨の規定を定めることが多いです。

 

2.退職年金制度

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退職金規定の種類には、退職年金制度もあります。

退職年金制度とは、退職金を一時払いするのではなく、退職後に従業員に対して分割払いする方法のことです。

たとえば、退職後5年や10年などの有期で年金を支給することもありますし、終身で年金を支給するケースもあります。

企業が年金方式の退職金制度をとる場合には、年金原資の積立や管理の方法について、退職一時金の場合以上に注意が必要です。

自社で適切に行うことが難しいので、多くのケースでは社外の機関を利用することになります。

そして、退職年金制度には、確定給付型企業年金と、確定拠出型企業年金があります。

 

(1)確定給付型企業年金

確定給付型企業年金とは、将来給付する退職金(年金)の額が決まっているタイプの退職年金で、規約型企業年金と基金型企業年金という2種類に分けられます。

「確定給付企業年金法」という法律にもとづいた制度です。

 

規約型企業年金は、企業が従業員からの同意を受けた上で定めた年金規約により、外部機関に年金の掛金を支払います。そして、外部機関が支払われた年金掛け金を管理運用して、従業員に対して年金を給付します。

 

基金型企業年金は、企業とは別の法人である「企業年金基金」を利用する方式です。

この場合、企業が従業員からの同意を受けると、企業年金基金が規約に従って年金資産を管理運用します。

基金型を利用できる場合は、加入者数が原則300人以上の企業とされています。

 

掛け金については、原則的に企業が負担しますが、2分の1までであれば従業員に負担させることができます。

年金の給付期間は、5年以上の有期か終身です。

 

(2)確定拠出型企業年金

確定拠出型企業年金とは、毎月支払う年金原資の拠出額が決まっているタイプの企業年金で、確定拠出年金法という法律によって定められています。

拠出された年金原資は、加入者が自分で運用することになるので、将来受けとる年金の金額は、ケースごとの運用実績に応じて変わります。

 

企業型の確定拠出年金では、企業が掛け金を拠出しますが、加入者が一部掛け金を負担することもできます。

年金の支払いは、原則的に5年以上20年以下の期間です。

 

給付額が個人ごとの運用実績によって決まるので、退職給付債務が発生しないメリットがあります。

確定拠出型企業年金を採用する場合、企業は従業員に対して投資などについての教育をすべき義務を負います。

 

3.一時金でも分割払いでも利用できる中小企業退職金共済とは

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退職金制度としては、中小企業退職金共済を利用する例も多いです。

 

これは、独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)が実施している共済制度です。

企業が中退共と契約をして、掛け金を支払ったら、従業員に対して中退共が直接退職金を支払ってくれます。

 

新規契約の際や掛け金を増額する際、国庫からの補助を受ける事ができますし、支払った掛け金を損金算入できるメリットがあります。

ただ、懲戒解雇などのケースでも全額退職金が支給されるなどのデメリットがあります。

 

一括払い方式だけではなく分割払い方式も選択出来るので、退職一時金としても年金制度としても利用することができます。

 

4.退職金の前払いは可能か?

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退職金制度を導入する際、前払い方式をとることが出来ます。

 

前払いをする場合、退職時や退職後に支払うのではなく、従業員の就業中に、給料やボーナスに上乗せして退職金を支給していきます。

全部を前払いすることもできますし、一部を前払いすることもできます。

 

一部を前払いした場合には、退職時に残りの金額を支払う必要があります。

前払い方式を利用すると、企業が退職金の積立をする必要がなくなり、退職給付債務やそれにまつわる会計も不要です。

 

ただし、将来退職金を得るという目的がなくなるので、従業員のモチベーションが下がってしまうデメリットがありますし、従業員が途中で会社を辞めてしまうリスクも高まります。

 

また、前払い制度を導入すると、その分従業員の所得税や保険料が増えるという問題もあるので、これを考慮して定める必要があります。

 

まとめ

このように退職金制度は様々な種類と支給方法があります。

現在の経営状況や企業規模に合わせて、検討・選択してください

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