退職金と確定拠出年金の違いとは?

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企業が退職金制度を導入するとき、どのような制度設計にするかが重要な問題となります。

近年、導入されることが多いのが確定拠出年金ですが、従来の退職金制度とはどういった違いがあるのでしょうか?

今回は、退職金と確定拠出年金の違いについて、解説します。

1.確定拠出年金とは

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確定拠出年金とは、企業や個人が退職する場合に備えてお金を積み立てる方法の1種です。 

毎月定まった金額を拠出(支払い)して、拠出された掛け金については、加入者の責任で運用します。

そこで、将来受けとることができる金額は、運用成績によって異なってきます。

同じ金額を拠出した場合であっても、多くの年金を受け取れる人もいれば、そうでない人も出てきます。

また、確定拠出年金は年金の1種なので、分割払いで受け取ります。

原則として、5年~20年の間支給されます。

企業が確定拠出年金を導入する際、掛け金を支払うのは企業ですが、従業員に一部を負担させることも可能です。

2.確定拠出年金も退職金の1種

確定拠出年金は、企業年金の1種なので、一時払いの退職金と異なる面がありますが、退職金という場合、従業員や役員が退職した後の生活のために受け取るお金、という意味合いであることもあります。

そういった場合には、確定拠出年金も退職金の1種と位置づけられます。

近年、従来の退職金制度を廃止して確定拠出年金型の退職金制度を導入する企業も増えています。

つまり、確定拠出年金は、広い意味では退職金の1種なのですが、狭い意味での退職金(従来型の退職金)とは異なる性質を持つということです。

3.確定拠出年金と退職金の違い

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以上を前提に、確定拠出年金と退職金の具体的な違いを確認しましょう。

 

1)誰が掛け金を支払うか

退職金と確定拠出年金は、掛け金を支払う主体が異なります。

一般的な退職金の場合、掛け金を支払うのは事業者(企業)です。

 これに対し、確定拠出年金の場合には、企業が支払うことも個人が支払うこともできます。また、これらをミックスさせたマッチング型を選択することも可能です。

 企業が退職金代わりに確定拠出年金を利用する場合には、企業が支払うかマッチング型かのどちらかを選択します。

2)個人事業者が利用出来るか

一般的な退職金制度の場合、個人事業者が利用することは想定されていません。

 そもそも退職金という制度自体が、従業員や役員などが退職したときに企業が退職者に対して退職金規程にもとづいて退職金を支給するものなので、個人事業者の場合には、退職金制度というもの自体がありません。

 たとえば、個人事業者が退職する際にどこかから退職金を支給されるということはなく、退職金がほしければ、自分で積立をする必要があります。

 ここで、確定拠出型年金であれば個人事業者も利用できます。

確定拠出年金では、個人が自分のために加入して積立を行い、自分で運用することによって将来年金を受けとることができるからです。

3)支給する金額が決まっているかどうか

一般的な退職金制度の場合、将来支給される退職金の金額は決まっています。

 一時払いなどの退職金制度では、勤続年数などに応じた退職金の計算方法が定められており、従業員が退職したときにはその計算方法によって定まる退職金を支給します。

同じ条件の従業員の場合に異なる退職金額になることはありません。

 これに対し、確定拠出年金の場合には、個々人の運用方法によって将来受けとる退職金の金額が変わってきます。

運用がうまくいった人の場合には多額の退職金を受け取れますし、失敗した人の場合には退職金額が少なくなります。

4)退職給付債務が発生するかどうか

一般的な退職金と確定拠出年金には、退職給付債務が発生するかどうかも異なります。

 一般的な退職金制度がある場合、将来会社が従業員などに定まった金額の退職金の支払をしなければならないので、毎年退職給付債務が発生します。

これに対し、確定拠出年金では、運用実績に応じた退職金の支払いになるため、退職給付債務は計上されません。

5)倒産した場合の支給の有無

退職金と確定拠出年金は、企業が倒産した場合の取扱も異なります。

 一般的な退職金の場合、企業が支払い主体になるので、企業が倒産した場合には受け取ることができません。

これに対し、確定拠出年金の場合、外部機関に委託して個人が自分で管理運用するので、企業が倒産しても退職金の支給があります。 

6)リスク内容

退職金と確定拠出年金には、リスク内容も異なります。

 一般的な退職金のリスクは、勤務先の企業が倒産して、支払いを受けられなくなることです。

これに対し、確定拠出年金の場合のリスクは、運用に失敗して受けとるべき退職金の額が少なくなってしまうことが主なリスクとなります。

7)税制上の取扱

退職金制度と確定拠出年金は、税制上の取扱も異なります。

 一般的な一時払いの退職金制度の場合、従業員が受けとる場合に退職所得控除がありますが、確定拠出年金の場合にはありません。

 そうではなく、個人で掛け金を支払う場合には毎月の拠出額に所得控除があり、利息や配当、運用益は非課税となります。

まとめ

以上のように、退職金制度と確定拠出年金制度には多くの違いがあります。

企業にとってもメリットとデメリットがあるので、正しく理解した上で導入を検討すると良いでしょう。

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